キャラ名
オリキャラの設定資料集です。
出現頻度と比例しない記述量ですが、これを踏まえた上で書いていました、というようなものを。
話の中には出てこなかったちょっとした裏設定とかも追加して入れておきます。
よりストーリーがわかりやすくなる一助になればよいのですが……。
ロル
血濡れのローレライ。
某国の内乱で暗躍した大量殺戮者であり、ガーフィンケル社の戦闘要員養成プロジェクトの被験者。
Jくんの、生き別れの双子の兄弟。
五歳のときにガーフィンケル社に買われ、プロジェクトの一環に巻き込まれた。
教育は戦闘に関する分野でしか受けていないが、根本的に頭が良いので、物事の本質を見抜いたりする能力は秀でている。
洗脳教育に染まりきらなかった失敗作であり、戦闘能力のずば抜けた成功品。
某国に売却されたのは、これ以上いじりようがないと判断されたのと、自我をどうしても捨てないのが面倒だったので、商品PRと養成プログラムの成果のデータを取る目的から。
データを取るためのGPS機能つきの超小型チップが右手首に埋め込まれていたが、銃の暴発による腕の欠如により反応消失。死亡したものとして処理されていた。
被験体は感度の優れた感覚器を更に特化するプログラムを組まれ、それぞれ○○特化型と呼ばれる。ロルは聴力特化型。
ルーカスの興味の対象だったので、被験体の中でも待遇は比較的よかった。
某国でも戦闘能力の高さから、やはり他に比べてかなり優遇されていた。
しかし子供があまり優遇されているのは反感を買いやすいので、常に顔を隠して行動。
他の子たちとは違う系統での命令を受けて動いていたのは、売却時にルーカスからの口添えがあったため。本人はそのことを知らない。
本名は不詳。
記憶にはあるが、それを軽々しく他人に告げることを好まない。
だから、これから先もずっとロルという名を貫いて生きていく。
ルーカス・ダントン
世界に飽いた天才。
人を超えた人智の持ち主。神に愛され、神をそしり、神の領域に立とうとした存在。
元は脳神経外科医であり、その天才的手腕で若くして業界の頂に君臨した。
しかしそれだけではつまらなかったので、更にいろいろな分野に手出しをして、どこでも大きな成功を収める。
嫉みや嫉みを買うことさえないほどの、完璧な天才。あまりに超越した存在。
より面白いこと、満たされることのない欲求を満たすことを求めてふらふらとさまよい続け、辿り着いたのがガーフィンケル社の第三生化学研究所。
軍務についていた頃からのなじみであるザデーの誘いによって任についた。
それ以来、ザデーの後ろ盾もあり、好きなようにいろいろと危ない研究を続けていた。
戦闘要員養成プロジェクトを提案した張本人。
行き着くところまで行き着いた天才は、人間を『作り直す』ことに興味を示した。
すべてが予想通りにしか動かない世界で、ようやく予想を裏切る存在に出会う。それがロル。
だから彼は、誰にも想像のつかない感覚ですべてを睥睨し、手出しをしてほくそえんでいる。
退屈が凌げるのなら、別に何がどうなっても構わない。
己の身の破滅でさえも、退屈を凌ぐための対価であるならば犠牲とは思わない、人を超えてしまった悲しい人。
ウィリアム・ザデー
現職大統領派、最大派閥の長である上院議員。
軍閥のドン。議員の間での通称は『将軍』。
ルーカスとは軍務時代に知り合い、その天才的頭脳とそれによる退屈を誰よりも正しく理解することのできた人。
自身も人並み外れた能力の持ち主だったため、互いに意気投合し、それ以来はある意味親友といってもいいほどの間柄を保っている。
ただし基本はあくまでビジネスライクな関係なので、相手が自分にとって益とならなくなったら捨てるという暗黙の了解つき。
ガーフィンケル社の最大の献金先であり、そこを利用していろいろと裏金を作っている。
自分の正義を微塵も疑っておらず、その過程にどれほど悪徳な事実が噛んでいても眉ひとつ動かさない。
巻き込まれた人間がいたとしても、すべてを予見し、その上で動くことが出来ない方が悪い。
自分の身は自分で守らなくてどうする。それが出来ないなら勝手に泣いていろ、という理屈。
ベトナム戦争をはじめ、WWU以後の主要な戦争で大きな功績を挙げており、それによってのし上がってきた実力派。
軍内部に限らず、軍閥にも強い発言力を持つ。それだけのカリスマ性を備えたヒーローだった。
現職大統領ともパイプが強く、現在は官職についていないものの、次期の国務長官は約束されたも同然の地位にある。
ドワイト・ハース
上院議員。大統領選の現職対抗馬。
ずっとガーフィンケル社とザデーの癒着を追っており、武器の横流しなども問題だと言及する先陣を切っている。
ごく一般的な上院議員の一人。
ロルの身をアメリカにつれてきた NGO にかなりの額の寄付を毎年行なっており、そこからロルとのパイプが生まれた。
基本的に良心的な人なので、ロルのこともはじめは選挙に利用するだのということまでは考えておらず、ただ世間に好印象を与えるチャンス、ぐらいにしか思っていなかった。
武器の密輸は知っていたが、戦闘要員養成プロジェクトの存在は知らなかった。
ロルもそのことについては特に言及していなかったので、気づいたのはロルをバカンスに送り出してから。
慌てて裏を取り、それでもあえて泳がせることによってことを静観するだけの度胸と狡さは持っている。
選挙には勝って、話の最後では大統領職についている。
ことのあとのロルの後ろ盾となり、養育関係はすべて面倒を見るつもりでいる。
アーヴィングとドゥルーズ
ロルの護衛であり、民間企業からハースの依頼で派遣された。
アーヴィングの方が年上で先輩。
はじめは職務のまっとうだけを考えていたが、だんだん情が移り、なにくれとなく気にかけるようになる。
補遺で護衛についていたのは別人。大統領専属のSPの人たち。
ボブ・アデナウェアー
フリーの報道カメラマン。
ロルの写真を撮ったことで一躍有名となる。
NGOとのパイプは、彼らの情報を当てにしながら戦闘地域を渡り歩くために築かれたもの。
写真展を開いては、というのも彼らからの提案。
もともと、彼らの噂話から武器の密輸を追っており、その証拠を押さえたくての某国への潜入だった。
ロルとの出会いは某国内でのとある戦闘の取材。
そこで身寄りのなく行くあてのないロルに同情し、ちょうど逃げられた通訳の代わりを願い出たことから二人の関係ははじまる。
渡米してからは騒ぎが大きくなりすぎて連絡もとっていなかったが、ずっと気にかけていた。