話数 --- タイトル / タイトルバー
ここにそれぞれの解説を書いていきます。
あれだけだと伝わりにくかったと思うのですが、これで多少なりとも籠めた思いのたけが伝われば幸いです。
序章と終章、補遺は章内に細かく話がないので省略してあります。
第一話 --- 越えられない境界線 / 越えることが許されないから、いっそう深い、思いを馳せる。
越えてはいけない境界線。これ以上巻き込みたくないロルと、巻き込んで欲しいJくんの境界。
越えられないのは、時間もだし、立場の違いもだし、抱える思いの違いも。
いつの間にか二人を隔てるものは大きくなりすぎたけど、だからこそ、思う気持ちは深まっていく。
第二話 --- 偽りの鎧 / 見破らないで、打ち破らないで。脱ぎ捨てろなどと言わないで。
自分ですら気づいていなかった、ロルの虚勢。剥がされた先にあるのは、切なる願い。
だから願う。
偽りの鎧だとしても、これだけが心を護るための最後の砦なのです。
あなたを喪わずにいるために、私が壊れずにいるために。これはどうしても必要なのです。と。
第三話 --- 死を運ぶ天使 / それが神の手ならば至福であり、それが人の手ならば至悪である。
ロルをはじめとした『人形』のこと。感情を持つのは人間だから、感情がないのは天使という意味で。
ロルたちを揶揄する言葉をタイトルとするなら、一体それはどんな存在なのかという嫌味のつもりでつけました。
死を与えることを許されている唯一の存在は、神という概念だと思うのです。
第四話 --- 背信者は哂う / 信じることで救われるなら、救われぬ君はなにを信じる。
背信者はルーカスのことです。何もかもを笑って哂いながら、神さえ欺いて彼は往く。
『信じることで〜』 は、ルーカスからロルへの謎かけ。
「信じるものは救われる」というけれど、君は果たして救われるのか。
救われない道を示されて、そこにうずくまっていた君に、救いは本当に訪れるのか。
第五話 --- あまりに危険な賭け / 護り抜こう。誓いゆえにではなく、君への想いゆえに。
みんなを巻き込んでも護りきる自信がないから、ロルにとってそれはあまりに危険な選択であり賭けだった。
だからこそのロルの覚悟
誓いによる、義務感からの覚悟ではなくて、想いによる、エゴにも近い覚悟。だからこそ強い覚悟。
第六話 --- 裁き裁かれる者 / 同じき罪を、負うものとして。互いの罪を、追うものとして。
ロルとルーカスたちのことです。双方共に裁かれるべきであり、互いを裁こうとしている存在。
音の響きにこだわった文のひとつです。ロルの自戒と自嘲。
ロルもルーカスたちも互いに互いを追っているけど、つまるところ同じ罪人。同じ孔のむじな。
第七話 --- 彼の受けた仕打ち / 知ることも慰むこともあたわず、身代わりにもなれぬれど。
現時点での怪我とか、現在に至るまでの状況とか、ロルに関するすべてを示して。
それを踏まえて、『知ることも〜』 はJくんからの思いです。
ボクは君の隣にいることが出来る。君の痛みを知ろうと努力することができる。
十字架を負う君を支えることができて、君が倒れたら助けてあげることが出来る。
第八話 --- 決意と覚悟 / それは絶望の兆し。それは希望の証。
みんなは前向きな決意。ロルは後ろ向きな覚悟。
ロルにとって決意は絶望の兆しで、みんなにとっての覚悟は希望の証。
どうしても背中合わせになってしまうその思考回路を。