章数 --- タイトル / タイトルバー
ここにそれぞれの解説を書いていきます。
あれだけだと伝わりにくかったと思うのですが、これで多少なりとも籠めた思いのたけが伝われば幸いです。
序章と終章、補遺は章内に細かく話がないので、各話ごとの解説は省略してあります。
序章 --- 風に聞こえるは / いと哀しきかな鎮魂の歌。いと切なきかな祈りの言葉。
ロルの心境とその姿勢を表現してみました。
風に乗って聞こえてくるのは悲鳴とレクイエム。
命を奪う音と、奪われる音と、その後に残される祈りの歌。
歌っても祈っても、叶うことがないだろうと思う絶望の中で、それでも死ねない姿。
第一章 --- 途切れた糸 / 手繰ろう辿ろういついつまでも。君の隣に行きつけるまで。
ロルとJくんの関係性とその覚悟を揶揄してみました。
途切れた糸は二人の関係性。いまは繋がらない二人の距離。
それでもいつかは隣に行きたいと願う互いの心。
それまで頑張って歩いていけるよ、というふたりの覚悟。
第二章 --- やさしいうそ / かなしくやさしく響く声。切なく愛しき君の声。
お互いに知らんふりをし続けるために、相手を傷つけたくないからつくやさしさゆえの嘘。
相手のやさしさを推し量ればこそ、その嘘をつく声のやさしさは哀しい。
そして、何も知らずに純粋に包んでくれるみんなの声が切なくて、すべての声がいとおしい。
誰の声か、は、限定していません。ロルとJくんが、それぞれ互いを含めた周囲に思うこと。
第三章 --- 選択になかったはずの道 / 道がないなら切り開け。光求むなら突き進め。
みんなを巻き込む道も、己の命を生かす道も、すべては想定の範囲外だったロルと、そんなロルへのJくんやみんなからの叱咤。
はじめから諦めるのではなくて、みっともなくてもいいから頑張って足掻いて欲しい、という思い。
そして選び取られたのは、ロルのそれまでの選択肢にはなかった、みんなによって新しく示された道。
第四章 --- 夢の続き / 祈り続けたそれは奇跡。ようやく手にしたそれは軌跡。
夢は約束の成就。夢の続きは、再会の向こうにある未来。
奇跡は、約束が果たされて、一緒に時間を刻むことが出来ること。
でも、結局は叶わず、手に入れられたのは痕跡に過ぎなかった、という意味で軌跡。
終章 --- 去来する幻想群 / とどめることすら叶わないのか。すり抜けていく、幸いの瞬間。
Jくん視点の心境。何もかもが夢のようで、信じたくなくて信じられなくて、でも現実だと知っている残酷さ。
ようやく果たせた邂逅は過ぎ去ってしまい、結局は崩れ去ってしまった。
幸せだと思っていた時間が次々と去ってしまうことへの嘆き。
補遺 --- 月が泪をこぼす夜 / 奇跡にすら手の届きそうな。夢幻のごとき、月に白虹の架かる夜。
月光虹が架かる夜は、雨が少しだけ降った、綺麗に晴れた満月の夜。
月に虹が架かるのは非常に稀なため、奇跡さえ叶いそうな夜。
幻想的なその虹は真っ白で、まさに現にまみえる夢幻。そんな奇跡に出会えた日を思って。