話数 --- タイトル / タイトルバー
ここにそれぞれの解説を書いていきます。
あれだけだと伝わりにくかったと思うのですが、これで多少なりとも籠めた思いのたけが伝われば幸いです。
序章と終章、補遺は章内に細かく話がないので省略してあります。
第一話 --- 壊れた人形の活用法 / 使い方、使われ方。その向こう。
ロルの各方面での使い勝手について。
使って使われて、それを厭わないのはその向こうに思うことがあるから。
そもそも、意思を持った時点で、彼は壊れた人形だった。
第二話 --- 桃源郷を探すもの / どこまで行こう、どこに往こう。
桃源郷を探しているのはJくんです。
ロルと一緒にいられる未来は可能性が限りなくゼロに近いから、桃源郷に喩えました。
桃源郷が見つからないから、どこに『行け』ばいいのかがわからなくて、『往き』つづける。
第三話 --- 手探り / どうすればいい、どうして欲しい。
みんなからロルくんへのアプローチについて。
どうやって接すればいいか、まだ良くわかっていない距離感。
『どうすればいい〜』 は、お互いにどうするのがベストなのかがわからないから。
第四話 --- 束の間の安らぎ / 有限の時よ、無限たれ。
なにごともなく穏やかに過ぎる、ひとときの安寧。
この時間がずっと続けばいいのに、と素直に祈っているのは博士です。ロルとJくんは既にいろいろ含んでいるので。
終わりが来るとわかっている幸いに、とこしえを願うは人の性。
第五話 --- 気づくべきではなかったこと / 知っていいこと、知ってはいけないこと。知らなくてはならないこと。
博士に垣間見せた、ロルの後悔。
巻き込んでしまったことへの悔悟になど、気づくべきではなかった。
知っていいことと知ってはいけないことの垣根を取り払ってしまったロルは、知らなくてはならないことを知って、知らないほうが良かったかもしれないことを知ってしまった。
第六話 --- 道化師と操り人形 / 糸は絡んで深く深く。思いは絡んで更に深く。
この時点で名前はまだ出ていませんが、ルーカスが道化師で他はみんな操り人形、という揶揄でした。
操り人形の糸と各方面の思惑とをかけています。
糸が絡んだ操り人形は、使えないから捨てるしかない。だからロルは捨てられる。
第七話 --- 水に映る月 / 手が届かない、触れられない。守りたいのに、護れすらしない。
『猿猴捉月』より暗喩。ロルにとってJくんは水に映る月で、決して届かないと思い知る絶望。
水に映る月は触れることが出来ないから、掻き消えてしまうのをただ眺めていることしかできない。
そのすべてを『守り』たいのに、その心は愚か、物理的に『護る』ことさえも叶わない。
第八話 --- ごめんねでは足りないけれど / 信じあうために降り積もる、引き返せない、罪と嘘。
巻き込んでしまったこと、騙していること、それでも相手に求めていること。すべてに対してのロルの思い。
相手のためにとついた嘘によって罪は降り積もり、更に嘘が積み重なる。
最後にはそれらに雁字搦めにされてしまうことをわかっていても、どうしても引き返せない嘘をつく。